異端漫画家の煩悩(!)と苦悩に満ちた少年ジャンプ黄金期 巻来功士『連載終了! 少年ジャンプ黄金期の舞台裏』

QBは最初の選択をどっちにしようかで迷い中。そしてFFXIVは明日に備えて、今日はお休み。と来れば、積んでいるラノベ読みと漫画の感想を。BOOK WALKERで買いました。

80年代ジャンプのトラウマ漫画といえば『メタルK』に『ゴッドサイダー』を思い出す自分はもう相当なトシ食っています。黄金期の週刊少年ジャンプに突如現れた巻来功士先生のデビューからスーパージャンプ移籍までを描いたドキュメンタリー漫画なのですが、これが実に面白かった。

大学時代に先にデビューした北条司先生をライバル視しながらもなかなか芽が出ず、そのイライラを性欲で発散させている時にサンデーの編集者に声をかけられて大学を中退して上京。最初は少年キングに持ち込むも、担当者から即連載を持ちかけられてデビュー決定。この時にコロコロの編集部を紹介されたのですが、もしコロコロでやっていたら別の道を歩んでいたんだろうなぁ……。

ついに連載を果たすも、最初の作品は30回で終了して単行本が出ずじまい。その後もう1作を描くも少年キングは廃刊に追い込まれ、行き場を失った時に少年ジャンプで再デビュー。しかし、最初の連載となった『機械戦士ギルファー』は10回で打ち切りを食らうも、単行本の売上があったおかげで勝負に出ることに(なお、この時にVHSデッキを買ってアダルトビデオをしこたま見まくってたそうな)。

なかなか連載につながらなかった時に、巻来先生の担当編集だったマツイ氏が少年誌の常識をぶち破る作品を求められて出来たのが、ジャンプ史上のトラウマ漫画となった『メタルK』だった。あまりにもダークな内容からか10話で打ち切りが決まるも、その次の作品として描いたのが『ゴッドサイダー』だった。

なお、ゴッドサイダーを描いた時期はマツイ氏(現在は中国で漫画の仕事に携わっている。サタン復活の時は「ドンドンぶち殺すって感じで!」と、ガンガンキャラを死なせた)→にクンタスズキ氏(今は取締役をやっています。くまモン襲来の時も応対したそうな)→マツイ氏→K氏(裏ビデオをたくさんもらったが、相性が悪かった)と担当が頻繁に入れ替わった。マツイ氏は映画の話で気が合い、クンタスズキ氏はイケイケドンドンで巻来先生との相性が抜群だった一方で、K氏とその次の担当の相性が悪く、最終的には少年ジャンプを去る一因を作ることに。

K氏の、

「『ゴッドサイダー』の最終回はいつになるのって…… 何度も… 何度も… ……いやだよねぇぇ……」

と言って立ち去るシーンはえらく恐ろしかった。非情すぎる担当にぶち当たったのが不運だったとしか……。

最終的にはクンタスズキ氏と組んだことがきっかけでスーパージャンプ(現在のグランドジャンプ)に移籍し、『ミキストリ』はそこそこのヒット作に。その後でフリーになって、『ゴッドサイダーサーガ 神魔三国志』を描くのだが、これが2013年に打ち切りに(後にクラウドファンディングを利用するきっかけになった)。

80年代当時のジャンプの裏側……どころか、漫画家の現実をリアリティあふれた筆致で描いていたので気になって電子書籍で読んだのですが、本当に面白かった。担当と相性が悪ければ漫画家はあっという間に潰れてしまうんだね……。

荒木先生の後ろにスタンドが見えてたのは正解でした。本当にスタンド使いじゃないのか、荒木先生は……^^;。

なお、さらなる小ネタとなりますが、コロコロコミックで巻来先生の脇に居たのはのむらしんぼ先生です。『つるピカハゲ丸』で大ヒットを飛ばすも、その後の人生は……。こちらも近いうちに読むかもしれません。