メモリーズオフ -Innocent Fille-:感想(ネタバレあり、閲覧要注意)

ネタバレありの感想となりそうですが、この際覚悟のうえで書かせていただきます。

ストーリー

北海道から特待生制度を利用して湘南の私立高校に転入してきた主人公は、転校先で幼馴染たちと再会を果たす。しかし、それがかつて自分が犯した罪と向き合うことになろうとは思いもよらずに……。

今回はライトサイドでは後述するノエルのいじめを主眼としたストーリーを、ヘヴィサイドでは10年前の自分たちが犯した罪と向き合う……と、どちら選んでもシリーズでは一番苛烈なストーリーを味わうことになります。

ライトサイドでは学校をまたいだストーリーとなります。いじめを扱っている関係か、シリーズ一苛烈なストーリーなのは変わりませんが、ヘヴィサイドに比べるとまだ序の口。

ヘヴィサイドでは最初「あ、なんだ。単なる学園モノか」と思ったら、フリージャーナリストの登場を機に非日常が侵食しはじめます。特に真相究明ルートではそれが顕著で、「これは恋愛AVGなのか?」と思うほどでした。サブタイトルの由来はネタバレを覚悟で書かねばならないほど、今回のバックグラウンドストーリーはすさまじく重い話となっています。

(ここよりネタバレ)
楠瀬累が犯した罪。それは、幼馴染の家庭の問題があった。

琴莉の父親による家庭内暴力が原因で琴莉の生みの親が自殺。そのあとで琴莉の父は再婚するもまた家庭内暴力を繰り返す。ついには――正当防衛とはいえ――累は(偶発的には、であるが)柚莉達の親を殺してしまい、家に火を放ってしまう。

道警の捜査もあったが事故として取り扱われ、この件は表向きは幕を引いた。しかし、事件のうわさ話はネットで拡散した。それは累に一生消えない罪となり、累に常に付きまとい続ける。ただ、この一件で変わったのは累だけではなかった。幼馴染たちもまた同じだった。

三城柚莉はPTSDだけではなく、解離性同一性障害を患ってしまう(紹介サイトでは琴莉として紹介されているが、死産となった希莉が別人格の正体)。琴莉は表向きは死んだこととされ、(表向きは)資産家の祖父のところに預けられる。そこで日紫喜瑞羽として別の人生を歩むことになるが跡目問題に巻き込まれ、柚莉達と同様に湘南の地に逃げることになった。そして、累との再会が自身の中に封じ込めていた記憶を思い起こすことになろうとは……。
(ネタバレ終了)

……と、ネタバレにしても胃もたれするくらいです。

但し、Memories Offルートに関してはシリーズでただ一人最後まで出ずっぱりだった稲穂信を巡る話となっています。解放された後でやっても構いませんが、出来ればBADを含めてすべてのエンディングを見た後にやってください。むちゃくちゃヘヴィな内容の清涼剤になってくれるはずです。

キャラクター

今作は攻略可能なキャラクターがノエルを除いて事件の関係者となっています。かなりのヘヴィさに優劣は付けられません。

ただ、信とお京さんの夫婦漫才と想君の時よりさらに成長を遂げた唯笑のやり取りは必見です。真相ルートでは信と唯笑、そして智也がここぞとばかりに活躍してくれます。かつての主人公とその友人たち、そして信の愛されっぷりはこの作品の要となるでしょう。

システム回り

PC版(DMM)でプレイしたのでPC版基準となります。PS4版とPSVita版では全く違いますので、それについてはご容赦ください。

DMM版はDMM GamePlayerを必ずインストールしてからアクティベーションコードを入力して、そのあとでゲームを始めることになります。フルスクリーンでの起動もできますが、その場合はスクリーンショットと動画の撮影はできません。これはSSを載せたがる自分にとってはちょっとマイナスでした。わざわざウィンドウモードで起動しなきゃならないのは正直どうもね……。

ゲーム回りに関してはスキップ機能などの基本的なシステムが完備されています。但し、セーブデータの個別削除は非対応となっています。また、選択肢までのスキップはできないので、何度も同じシーンを見るのはちょっと辛いです。

PS4版でもPC版同様にネタバレ規制がかかっている可能性がありますので、PS4版を持っていて気になる方はそちらのチェックを……。

まとめ

前作の『ゆびきりの記憶』から7年。

長く待たされた分、シリーズで今までにないシリアスで謎解きをメインとした恋愛AVG――というよりは、学園サスペンスAVG――として、シリーズを完結に導いたことに、ただひたすら驚きを隠せません。

ライトサイドでは――いじめを扱っているためにそんなにライトではないのですが――普通の学園モノと思って進めることができますが、ヘヴィーサイド、とりわけ真相ルートではサイコ・サスペンス小説を味わうがごとき展開が待ち受けています。今作は市川プロデューサーが「今までで一番ヘヴィかもしれませんね」と語っていましたが、まさしくその通りでした。ホント、ここまでヘヴィな物語を用意してくれるとは思わなかったよ!

最後に、シリーズを導いたスタッフの方々、本当にありがとうございました。『想い出にかわる君』からメモオフをはじめた変わり者ですが……。拙いですが、これにて感想を終わらせたいと思います。

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